【花は撮るもの。取らぬもの・・・ 〜レブンアツモリソウ〜】

写真の花はレブンアツモリソウといいます。
ラン科の花で平敦盛が背負った母衣(ほろ) に見立てて命名されたアツモリソウの中でも礼文島固有の品種です。
和名で書くと『礼文敦盛草』 。

アツモリソウやアツモリソウの他の品種は、概ね淡い紅色(紫色に近いか?)の花をつけるのですが、このレブンアツモリソウは写真を見てもわかるように淡いクリーム色の花をつけます。
その姿は本当に可愛いし可憐な感じがしますね。

花の季節的には5月下旬から6月中旬くらいまで。その年によっては少しずれ込んで7月の初めにも見ることができるときもあるかも。
ですから、普通に勤めている身分ではそうそう生の姿を眼にする機会もなかなかない。
実際、私もこの写真を撮ったとき1回きりだったような・・・

その世界でも礼文でしか見られないレブンアツモリソウ。
かつては島の色んな場所で見られたとか聞きましたが、かつてこの花の色や形、そして礼文にしか生息しないという希少性もあってかなりの盗掘があってその数も激減しているといいます。
現に礼文島の中でも、レブンアツモリソウ群生地と呼ばれる保護区にのみ咲いているという状態。
以前に、その保護区の中でも一晩で50株以上のレブンアツモリソウが盗掘されたって話も耳にしました。
現実に市場・・・まともな市場とは思えないが・・・アツモリソウでも5万弱。レブンアツモリソウなら10万前後の値がつくこともあるそうで。
そんな感じですので、この群生地そのものが北海道の天然記念物の指定を受けていて、フェンスで仕切られた中で24時間体制での監視下にもおかれていますし、何とか再生できないかという試みも行われているようです。

礼文島では、実はカラフトアツモリソウ(樺太:現在のサハリン特産のアツモリソウ。これは日本では礼文と網走のあたりでのみ生息)もこの群生地の中に混じって咲いていたりもしますが、こっちは外側がアツモリソウと同じ淡紅色、内側の花びらがクリーム色とアツモリソウとレブンアツモリソウが混じったような感じの花をつけます。
ですが、いまや両方の品種に限らずアツモリソウの種類全般はレッドデータブックの中の絶滅危惧種(Cr:絶滅の危機に直面している現状)に分類されている状態。

それにしても人間ってやつは・・・身勝手な動物ですよね。
花はそこに咲いているからこそ一番輝いているんだと自分は思う訳で。
だからこそわざわざ足を運ぶ価値もあるんだと・・・

『野に咲く花は取るんじゃなくて撮ればいい』 って常々思う。

もちろん絶滅の危機に瀕するに至っては環境の変化というか、極言するなら環境破壊があるんでしょうね・・・
実のところ・・・礼文島にはここ数年通っていませんが、足を運んでいた頃は10年ほど続けていました。
でも、初めてきた当初に比べても、花が見られる場所が減ってきている気がして。
高山系の植物よりも、生命力の強い笹の類がどんどん増殖していってるような・・・

もしかしたら礼文島も・・・自分の次の・・・そのまた次の世代には・・・『花の浮島』ではなく、ただの『笹の浮島』となっているかも知れない・・・



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