【その姿が見えなくなるまで続けよう・・・(?!) 〜追憶の礼文島・船泊港にて〜】

上の写真は、礼文島の船泊港を出て行く『第5宗谷丸』の姿。
この船はとうの昔に引退。そして船泊の港の方も、写真にある1991年の秋を最後に定期航路から外れてしまっています。

このお話は、そんな船泊港にまだ船が出入りしていた頃のお話。

礼文−稚内間は、香深と船泊という2つの港があったものの、便数は実は圧倒的に香深のほうが多かった。
なんせ、船泊便は1日1往復のみだったので比較の対象にならんのだが。

それでも、常連さんや『異常連泊者』(常軌を脱した長期連泊者のことを称した言葉・・・)が島を出るときには宿の人たちや他の連泊者たちも必ずと言っていいほど

『船泊から島抜けしろよ・・・』って声を掛ける。。
(『島抜け』って、島を出ることを称して言われていた言葉なんですが・・・)

実を言うと、香深から出る場合は前述のように車で送らないといけないので、車に乗り込める人数だけしか見送りに参加できないのです。
ただ、どうしても香深じゃないと・・・って人で、見送りたい人が大勢の時には1台に10数人なんていう『お前らギネスに挑戦でもするんかいっ!(爆)』って"超"定員オーバーで香深に向かうこともあったりしましたが・・・(笑)
宿でお手伝いをしているヘルパーさんたちは、やはり食事の準備や掃除などの仕事があるのでそういう人たちの見送りには参加できない。

その点、船泊港は実はこの宿から徒歩1分程度という近さ!
いわば『Harbor Side Hotel』ってとこ?(まあ、ホテルじゃなくて民宿でしたがね・・・)

だから、ヘルパーさんたちにとって心に残るお客さんなんかが島抜けするときには、

『お願いだから船泊便にして〜』

なーんて言われちゃう訳なんです。
それなら仕事の手をちょっとだけ休めて見送りに参加できると。

そして私たち見送る客の方も、そういう日には予定も組まずに、船泊界隈を散策でもしながら船出の時間を待つ。
だって、8時間コースなんて歩いてた日には、岩場と格闘してるときに船が出る時間だし。
まあ、例外的に『トド島ツアー』ってスコトン岬の沖合いの無人島散策ツアーに出ているときは、送り迎えの船が戻るのが3時過ぎだからトド島に行けそうなときはそっちを楽しんだ後に港で集合なんてこともあったが。
そんな訳で、先ほどの『常連さん』や『異常連泊者』たちが島抜けするときには、『とりあえずいる人全員』で見送ろう!そういう訳なんです。

で、その見送りの光景。
香深では某ユースに圧倒されてしめやかに行われていたのですが・・・

それが船泊では一転して、宿のオーナーさん自らギターをかき鳴らして、そりゃ歌えや踊れやの大騒ぎ!
時間に余裕があれば、島のことを歌った曲や彼自身が作ったオリジナル曲なんかをフルコースで歌いまくったり・・・
(この中身については機会がありましたら別のお話にてご紹介をしたいと思います)

まあ、船泊港を使う人って・・・旅人はうちらの宿以外じゃ、当時の船泊ユース(現:民宿『海童』でしたっけ?)くらい。
あとは強いていえば、船泊近傍にあった採石場に出入りするダンプやミキサー車の運転手程度でしょうか。

正直、『客はほとんどいない』ってのが実情でしたので、ここに限ってはうちらの独壇場。
そういう事情も相まって、『長居する人が島抜けするときは絶対船泊っ!』ってことにもなった訳なんです。

さて、見送りの光景はというと、船が岸を離れ始めるとクライマックスを迎える・・・
香深港で繰り広げられた

『いってらっしゃーい!』
『いってきまーす!』

の応酬までは同じ。

でも、ある距離まで船が岸壁から離れたなと思ったら、一部の人間から『そろそろかな??』という表情が出始める・・・
そして、もう充分船が離れたと思える距離までになった途端。

『それいけーっ!!』

とオーナーの掛け声でみんなで走り出し・・・そのまま次々と海へ飛びこんだっ!!(爆)

それは男どもだけかと思ったら、中には女の子の姿もちらほらいたりして・・・

そして、 浮かび上がった面々は、また『いってらっしゃーい!』と叫んで、泳いで岸壁へと戻る。
岸壁に戻ると、そこには何故か縄ばしごがかかっており・・・(誰だよ!こんなの設置したのっ!)
それを登って、また海へと飛び込み・・・浮かんでは戻り・・・そしてまた飛び込み・・・

それは船の姿が見えなくなるまで続くのだった・・・(おぃおぃ!!)

ていうか、ずっと疑問だったことが。
縄ばしごは港の人が設置したとは思えんのですが・・・(笑)
これって絶対、この宿の『誰か』がつけたんじゃないかと・・・
まあ、それが誰かは確かめはしなかったんですけれどね。

それにしても、この『飛び込みパフォーマンス』(?!)
初めてこの宿に来た人とかは目が点になってました。
そんなことしていいの?って聞かれたことも事実ありました。

その疑問は確かに正しい!(笑)
でも・・・いや、だからか。『船との距離』をきちんと確かめて飛び込むのだよね。
危険だと思われるほどの近さだと、船が止まってしまうからね。
ただ、本当はよくないんだと思うよね。
だって、同じこと香深でやったら警察に捕まったって耳にしたしね(爆)

でも、船泊はその点ローカルなんだね。
寛容だったという言い方もあるが、基本的にはすごーく平和な地域だったし、またそういう時代でもあったんだろうね。

なーんてことを書き綴っているわたくし自身なんですが・・・
実は、この『飛び込みパフォーマンス』に参加したことありませんっ!!(爆)
ごめんなさいっ!!ただ見てるだけでした・・・わたくし。
いや、みんなを煽るだけ煽ってたからもっと始末におえないか・・・(笑)

だって・・・子供の頃に海で溺れて以来、海では泳げなくなってしまったから・・・
だめなんです〜海だけは・・・(泣

 

 

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