【その姿が見えなくなるまで手を振ろう・・・ 〜礼文島・香深港にて〜】

これまで旅してきた中、色んな人との出会いがあった・・・
旅というものは基本的にはいつかは家路へと向かう日がやってくることが約束されている。(中には例外的にそうでない方々もこの世界に存在したりもしているが・・・)
と、いうことはいつかは出逢った仲間との『別れ』の時間がいずれはやってくることを意味する訳で。

そんな『別れ』の光景の中で、港での別れというのは一種独特なものがあったりします。
礼文島では、まず船が着いたときに宿の人たちが、それぞれ自分の宿の旗なるものを持って出迎えに来てくれたりするんですが、島を出るときにもやはりそれぞれの宿のお客さんたちで別れの光景くりひろげられていたりとかもしています。

その中でひときわ目立つのは、某ユースホステルの『お見送りパフォーマンス』。
この存在はシーズン中の島の名物というか風物詩というか・・・かなり有名ではあるのですが。

で、他の宿でもそれに負けじと、ギターをかき鳴らして歌う宿もあれば、トランペットなんか吹いたりしてるところも。
もっとも、大人数に勝る某ユースの前ではそれも霞みがちではありましたけれどね。

そんな光景の中、自分達の泊まっていた宿ではひっそりと見送りをしていたりしました。
実を言うと、自分の泊まっていた宿もかつては歌ったり踊ったりして見送っていた時期もあったことはあったんだが、某ユースに対抗しても仕方が無いということで、どちらかというと船に乗り込むまでゆっくりと『別れ』を惜しむように会話をしていた感じだったのです。

そうして、『別れ』を惜しんでいるうちに、船はゆっくりと桟橋を離れていき・・・
その船の動きに合わせるように、見送る人たちも少しづつ動いていく・・・
そして、岸からある程度の距離をとった船は、今度は全速力で外海を目指していき、見送る面々も全速力で駆け出していく・・・

見送る面々から

『いってらっしゃーい!』

と力の限り声を振り絞って叫ぶ。

それに応えるように、船の中にいる面々からは

『いってきまーす!』の声が。

気がつくと、見送る面々は岸壁の端まで走ってきていた。
その頃には、船はかなり先に行ってしまっているのだけれど、見送る側は相変わらず

『いってらっしゃーい! また来いよーっ!!』

と叫んでいる。
それは船の姿が見えなくなるまで続くのだった。

船の場合って、その姿が意外と長い時間見えていたりするもの。
まあ、乗ってる人間は見えなくなってるかも知れないが、船はまだ見えている・・・
もしかしたら、声を振り絞ればそれがまだ届くかも知れない。
まあ、あくまで『気持ち』の問題だけなのかも知れないが・・・(笑)

でも、そういう『別れ』という時を、船の場合はゆっくりと堪能できるものだったりするな・・・とも思うわけで。
やはり、これは船ならではなのかな?
これが列車や車・バイクだったりすれば、出発するまでは別れを惜しんでいてもいざ出発してしまうと、あっというまにその姿は見えなくなってしまったりしまうし。

別にそれはそれで構わないのだけれど・・・
でも、 結構拍子抜けしてしまうものも事実。

だからこそ・・・島にいる間は見送りできるときには出来るだけ参加しているように心がけていた自分がいました。
特に、長い期間一緒に連泊した『仲間』が島を出るときなんかは・・・

 

 

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