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第5話 【遥かなるイーハトーブ・・・早池峰へ】
遠野の馬の里を出ると、そこから以前に見た事のある風景を目指して車を走らせた。
おもむろに連れがバッグからカセットを取り出した。
カセットの中身は『姫神』だった。 『遠野って言ったら早池峰山。早池峰って言ったら『姫神』でしょ!』
遠野って言えばそうなんだな。そういえば・・・なんか懐かしいかも。
というより、カセットそのものが懐かしいものになっちゃってるが(笑)
ただ、借りた車はCDもMDも付いていなかったのでその辺を見越して持ってきた連れの考えは正しかったようだ。
やがて道の勾配がきつくなってきたと思ったら、周りの木々の植生も変わってきて背が低くなってくる。
すると、急激にあたりの風景が開けてきた。
ここだよここ♪
以前に訪れたときは迷って辿り付いた場所だったが、その後調べたら荒川高原ってとこらしいことを知った。雑誌とかでもよく見かける風景・・・
この高原には荒川牧場という牧場がある。詳細はわからないが多分『遠野牛』の牧場なんだろうな。茶色い牛が何頭もいや何十頭もいた。
遠くのほうを見ると馬も草を食んでいた。以前来たときは気付かなかったが馬もいたんだ。
それにしても、なんていうか本州離れした風景。
山の中を抜けてきたにしてはすごくよく整備された道路がずっと先まで一直線に伸びている。
ちょっと北海道とかを彷彿させる風景だな。ここは標高で1000m近いだろうけど。
ここで、私達はしばらくぼーっとしていた。
ちょうどお昼時も過ぎてしまったけど、遠野の町のコンビニで買ってきたおにぎりとかも食べながら・・・
風も心地よい感じだし、全然車はやってこない。
牧場の中にいる仔牛がなんか興味深げにこちらのほうを見ていた。
だが、それをかき消すような『もぉぉぉーーーーーーーーーーーーっ!』という牛の鳴き声。
かなりでかい牛がこちらを見て何度も『もぉぉーーーーーーっ!もぉぉーーーーーーっ!』と鳴き叫ぶ。
集団の中にボス牛でもいるのか、周りの牛達がその牛のあとをついて行くように私達の前から立ち去っていったのだった。
うむむ・・・この地では私達は招かれざる客だったらしい。
さて、先へと進むことにしようか。
遠くに早池峰山を見ながらこの道を先に進む。
しかしまあ・・・この道って地図上では林道ってことになってるはずなんだが、非常にコンディションの良い舗装道が続いている。
いわゆる『大規模林道』ってやつなのだろうか?
やがて、道は分岐点へと。
片方はそのまま隣の町まで進む道のようだが、もう片方はダートの道。しかも『夏休み期間の土日はマイカー進入禁止』とな。
でも、夏休みの期間じゃないな・・・よし!進んでしまえってことでダートの方へ。
そのままほどなく進んでいくと早池峰神社へと向かう道のようだと気付く。
早池峰には『ハヤチネウスユキソウ』という、エーデルワイスの一種の高山植物が実は有名だったりする。
以前に礼文島に行ったときに見た『レブンウスユキソウ』とも近い品種なんだろう。
ただ、花期にはちょっと早かった感じだったようだが。
まあ、これも次回へのお楽しみか。
ていうか山に登りたいな。今度は・・・
早池峰神社はなんとも古ぼけた感じも見受けられるが、早池峰山は信仰の山でもあるのでそれなりの風格も漂う神社だった。
ちょいとお参りしていたら、既に結構いい時間だった。
帰りは釜石線の本数を考えて、車を北上まで走らせて乗り捨てする予定だったので今日中に家路につくなら、あまりゆっくりもしていられない感じだし。
とか言っても、遠野から北上までは50km程度だから1時間余りもあれば充分に着くのだけれど。
ま!連れが夕方には仙台に戻りたい旨を聞いていたので仕方が無い。
車を北上駅まで走らせて乗り捨てをした後に、新幹線で一路家路へと。
仙台で連れが降りた後に一人になった私は途中で購入した『銀河高原ビール』を口に運んだ。
だが、以前に受けた思いと同じで自分の口にはどうも合わなかったが(笑)
今回の旅は1泊2日で端折った旅ではあったけど、以前に訪れたときの『宿題』はなんとかクリアできたって気持ち。
ただ、今回行った事でまた『宿題』が出来ちゃったみたいだけど・・・
また次に訪れる『楽しみ』ってのを残しながらその場を去っていくのもまた良し!
そんなことを思っていたときにはビールは空になっていたのだった・・・
[ 完 ]
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