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第5話 【急行『能登』での恐怖!】
翌朝、宿を出た私はまず駅へと向かった。
駅で軽い朝食をとった後に、さて…どうしようか?これから・・・と思案に暮れる。
この時間なら特急と新幹線でその日のうちに帰れることは帰れるなぁ。
でも、ちょっと勿体無いかも。
そう思った私は、帰りは夜行急行の『能登』で家路へと向かうこととしてこの日1日もこちらで遊んでいくことにした。
しかし、そう決めた後でも何するかは決めてない。
自分は気がついたら、富山地方鉄道の電鉄富山駅の改札の前に佇んでいた。
いいや!とりあえず電車に乗っちゃおうっ!!
切符を買って電車に乗り込む私。昨日は立山から乗ってきたので、今度は宇奈月温泉方面へと向かってみよう・・・
やがて電車は魚津に到着した。
何気なく気になってそこで下車してみる。
そういえばこの魚津って蜃気楼が見られるんだったっけか?そう思ったからだった。
海岸線に出てみる。海をぼーっと見つめる自分・・・
すごくいい天気でちょっと汗ばむほどの陽気。これだったら出て来るかな??なんて期待した私だったが、結局は、ぼーっと数時間ねばってみたけれど蜃気楼は現れてくれなかった。
まあ、それでもぼーっと海を見てるだけでも充分だったけれどね。
魚津の町で昼食をとった後に、富山まで戻った私。
また市電に乗って散策・・・気が向いたらそこで降りてみて歩いては別の停車場で再び乗り込む・・・ほんと意味も無く散策していた感じだった。
自分は、普段は結構貧乏性で動いていないと気がすまない部分もあるときもあるのだけれど、どうも旅先では無意味な行動やただひたすらぼーっとしてることも多い。
ある意味ではONとOFFを無意識に切り替えているのかも知れない。
やがてそんなうちに夕刻が迫ってきた。
さあ夕食だ!と思ったときに、ひとつ食い忘れているモノがあったのに気付いた。
『ますのすし』である。好物なのよね・・・やっぱ富山に来たならこいつも食わなきゃ♪
ってことで購入。でも、どこで食う?? 仕方ない・・・駅の待合室で食ってしまおう!
こいつは1個丸ごと食っちまうと結構腹に溜まるもんで・・・腹いっぱいです。
さて、あとは『能登』を待つばかりだな。
でも、まだ来るまでにはかなりの時間があるのでどうしようかと思案する。
じゃあ・・・って、お土産にホタルイカの黒作り(イカ墨に漬けた奴)とか、お土産用にと、もう1つますのすしまで買い込んで列車を待ってみる。でもまだ先は長い。
そこで時刻表を広げる私。すると富山から金沢までは各停でも1時間ほどで着くようだ。
じゃあ、金沢まで行ってしまおう。どうせ・・・富山から乗り込んだら座れるかどうかも分からないし、始発なら大丈夫だろう(現在は福井発のようですが、当時は金沢発でした)
でも・・・この切符で大丈夫か?と手持ちの『立山・黒部アルペンルート周遊券』を見る私。
まあよい!何か言われたら清算すればよろしい。ってことでこの切符で駅の構内に入って金沢行きの電車に乗り込んだ。
電車は金沢駅に着く。ここで改札を出ずに急行『能登』を待とう。幸いにも電車に乗って金沢へ向かったお陰か待ち時間はかなり短縮されたし。
そうしているうちに駅に列車がやってきた。
乗り込んだ後に車掌さんに切符を見せて、どうでしょうか?って聞いてみたら意外にも『あぁ、いいですよ。大丈夫です』とのひとこと。
うむ・・・ほんとにいいのかなぁ??
確かにこの切符では米原経由での出入りもあるので金沢に居ちゃいけないってことはない。でも・・・
まあ、 車掌さんがいいというのだからいいんだろう。きっと・・・
ただ、2度目はないかもな・・・って気はしたりする。こういうのは車掌さんの判断次第なんだと・・・
金沢を出て車内改札を終えた後に自分は気がついたら眠っていた。しかも座席に横になって・・・(まあ、眠るときはこの姿勢のほうが眠りやすいからね)
そうしているときに自分の顔を突付く奴がいる・・・誰だ??
眠っていた私を起こしたのは見知らぬおじさんだった。どうもここに座りたいらしい。
寝ぼけていた私はそそくさと隣の座席をあける。彼は当然のように私の隣に座ってきた。
列車は富山駅に到着しているらしい・・・でも何かが変・・・変だぞ??
よく車内を見回すと、自分の座っているところ以外に空席が目立つのだ。
何故にこのおじさん・・・わざわざ自分の隣に??
そう思ったが、他にも席ありますから・・・ってもなかなか言い出せずにそのままにしていた。
これが悲劇の始まりであった。少なくともそういう時には自分が他の席にでも行ってしまうべきだった・・・
そう思ったときには時は既に遅し!
なーんか・・・ぶつぶつ言いながらおいらの身体を撫で回してきたのだった!(爆)
がぅ・・・あぅあぅあぅあぅ!!
なんじゃこりゃぁぁぁっ!!(怒)
って思ったが、悲鳴をあげようにも声が出ない・・・
このおっさん・・・モー○ーなのか?? (爆!)
ていうか・・・変質者じゃないか??こいつって・・・
自分は恐怖感に襲われ、何が何だかわからなくなってパニック状態に陥っていった・・・
人間って言うのは極度のパニック状態に陥ると血圧が下がったりすることもあるらしい・・・しだいに目眩を覚える自分。
(やばい!ここで倒れたら・・・奴の思う壺じゃないかっ!!踏みとどまるんだっ!!)
意識が遠のきそうになっていくのを必死にこらえる私。
あぁ・・・吐き気までもよおしてきたぞ。ぅぅぅ・・・力が抜けていく・・・このまま俺はどうなっていくのだろうか??
何だか抵抗できない自分が情けなくて涙まで出てきた・・・きっと・・・痴漢にあった女の子ってこういう気持ちなんだろうか??
やがて、列車は何処かの駅へと近づいた。
自分は必死の形相で立ち上がり、おっさんを突き飛ばして網棚にあった自分のバッグをひったくるように手にもって、列車が駅に到着したと同時にホームへと駆け出していったのだった。
ホームに下りたと同時に列車のドアは閉まって発車してしていった。
とりあえずは悪夢から解放されたという気持ちでそのままホームにへたり込む私。
でも、何か忘れたものが・・・
おみやげっ!!あぁ・・・ホタルイカぁ〜ますのすしぃ〜(泣)
そして考える・・・別に列車降りなくたってよかったじゃん!他の車両に移っちゃえば・・・
そして・・・最も重要なことにも気がついた・・・ここは何処??この先の列車ってあったっけ??(爆)
[ 続く ]
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