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第4話 【富山での怪しげな宿】
目の前にあったのは何て言ったらいいんだろう・・・
少なくとも『宿』って感じの佇まいではなかった。
強いて言うならすごく昔の下宿といった風情か?(苦笑)
宿(だよな・・・?!)の前には古ぼけた2層式の洗濯機。なんか中では洗濯物が回ってる・・・
そう!そこは『旅情』というより『生活感』が漂う空間だった。
そして、玄関にはどうにかフロントだろうと思える窓があったので『すみませ〜ん』と言ってみた。
中からおばさんが顔を出す。
『先ほど電話した者ですけれど・・・』
『あ〜はいはい・・・』
さっきの電話の時よりは愛想がよかった。
そこで、改めて泊まりたい旨を伝える。すると・・・
『とりあえずこんなとこだからねぇ・・・ちょっと中に入ってみてそれでもいいって言うんならいいですよ。』
とのこと。一応、部屋を見てから決めろってことか・・・
ある意味では親切なのかも知れない。
それで中へと案内された私。
部屋は2階にあるらしく、これまたえらく薄暗くて狭い階段を上って部屋へと案内された。
部屋を見てみた・・・
う〜む・・・
壁とかは薄っぺらなベニヤの化粧板。天井を見ればごくごく普通の一般家庭にありそうな蛍光灯。床は・・・何故か玄関から1段あがると畳敷き。広さは6畳程度かな?
そして、ど真ん中に簡易ベッドが鎮座してる・・・ すごく奇妙な取り合わせ。でも、部屋そのものはそんなに汚いわけでもない。ベッドのシーツもちゃんと洗濯してあって糊も利いてるようだ。
別に寝るだけならこれでもいいんじゃないか??
そう思った私はお願いしますっておばさんに言っていた。すると、
『あんた幾つだい??』と唐突な質問。
『17ですけど・・・』即座に答えてしまった私。
『う〜ん・・・』
ちょっと考え込むおばさん。
ありゃ??もしかして年齢制限とかあったりするわけ??ちと不安げな表情を浮かべる私。やがておばさんは口を開いた・・・
『さっきの電話で2500円って言ったと思うけど、1800円でいいよ。』
お!これまた一気に700円も値下げです。こっちから頼んだわけじゃないのに・・・
もしかしてよっぽど金がなさげに見えたのかなぁ・・・(笑)
でも、折角の好意なんだと思ってありがたくその値段で泊まらせて頂く事に決まった。
その後、ちょっとした宿の決まりごと(?!)なんかを・・・
まあ、門限はないよってこととか風呂は10時までに入ってねってこととか・・・まあ、それはいいだろう。
ただ、その後に聞いた言葉に唖然とした・・・
『うちの部屋ってカギかかんないから・・・貴重品置いて外出はしないようにね。多分盗む人もいないとは思うけどさ。』
おいおい!それってありかよっ!!(爆)
まあ、幸運な(?!)ことに主だった荷物はとりあえずコインロッカーに入れておいたので、夕食でもとった後に宿に戻るときにでもロッカーから出して帰ってくるとするしかなさそうだ・・・
ただ、正確に言うと部屋のドアは内側からはカギは掛かる。しかし外側からは掛けられない形状のものだというお話。トイレのカギみたいなもんですな・・・
部屋でひと心地ついた後に外出をした。時は既に夕方近くだった。
ちょっと市電にでも乗ってみるかって・・・
そう・・・この富山は未だに市電が残っているのだった。しかも全区間どこまで乗っても均一料金。もっとも・・・端から端まで乗っても30分足らずなのだが。
市電に乗って町を探索する私。
あ、この辺がどうも繁華街らしげってとこで降りてあたりをうろつく。
そろそろ夕食時だよなぁ・・・なんてふと思う。折角、宿代もかなり浮いたしちょっとは贅沢してもいいかもなんて思ったりしていた自分。
まあ、そんなに高そうでない食堂を見つけてブリの刺身定食にちょうど旬のホタルイカの沖漬けかなんかを頼んでみた。
ちょっとチョイスがオヤジっぽいか?(笑)
でも美味かったぞ。当時はまだ酒が飲めない(年齢的に法律でってのもあるが、あんま得意ではなかった。でも旅先ではよく飲まされたが・・・笑!)のだったが、酒が飲めるならもう言うこと無い!って感じでしょう。
そんな感じで、ちょいと夜の富山の町も散策した後に宿へと戻った私だった。その前に駅へ寄ってコインロッカーから荷物を取り出してね。
宿に戻って風呂に入って・・・夜になってみると部屋はなんかわびしげであったけれど、そんなことは気にせずに眠ってしまった。
昨晩は夜行だったからねぇ。さすがに疲れていたらしい・・・
明日は何が待っているのであろうか??
[ 続く ]
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