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第6話 【最果ての島へ…】
旭川で一泊した翌日。今夜の夜行で稚内へ向かい、翌朝のフェリーでいよいよ礼文島へと渡るのだが、それまでの時間はかなりある。
さて、丸一日何しようか??
とりあえず旭川の街を散策…
北海道第二の都市なのだが、確かに大体のものは揃いそうな感じ。
でも、なんだか平べったい感じのする街だった。
まぁ、これは地方の都市全般に言えることだけれど…増してや広い北海道だから、街をちょっと外れれば広大な開けた景色が待っている。
昼くらいまでぶらぶらしていたが、ここで時間を潰すのに飽きてきた私は列車で札幌に戻ることにした。
考えてみれば、持っている切符は『北海道ワイド周遊券』である。道内の列車は乗り降り自由なんだから、乗れるときには乗っておいたほうが得ってもの…
もっとも意味もなくただただ列車に乗りつづけているのもなんだけれど。そういう旅は10代の頃に卒業したつもりだったんだけどな。
特急で1時間余りで札幌まで戻ってきた。
でも、札幌でも特に何をするって訳でもなかったのだけれど…
相変わらず場所を移しながらもぼーっと過ごして、札幌で夕食をとる。
今晩乗る予定の急行『利尻』は札幌を夜の10時に出発する。
夜8時過ぎ…なんとなく駅までやってきて構内に入り、ホームでぼーっとしていたらなんだか無性に列車に乗りたくなってしまった。
それで何故か旭川行きの列車に乗ってしまった私だった。
考えてみれば、ずっと札幌で待っていれば始発なんだから座る場所も確保できるはずなのに…
今、旭川まで行っちゃったら戻ってこれない。旭川で急行『利尻』を12時頃まで待っていなきゃならないっていうのに。
何か不可解な自分の行動だった…
旭川には9時過ぎに到着。もう戻る列車はない。正確に言うと札幌で急行『礼文』に間に合う時間には戻れなくなった。
結局、この旭川で3時間近く時間を潰さないといけない。
正直って札幌で待ってるほうがましだったかも。なんとなく夜もまだ早い時間だと思うのに人気があまりない…
それでも何とか時間は過ぎていき、旭川駅のホームに急行『礼文』が滑り込んできた。
席あるのかな??と車内を歩いていったら、本当にたった一つだけ空いていた席があった。
ラッキーって言えばラッキーだな…
翌朝、稚内の駅に列車は到着した。
以前、この駅に訪れたときにはとんぼ返りだったけど今回はこの先がある。
稚内の駅から礼文行きのフェリーターミナルって、どう行けばいいのだろう?
何も分からない私は呆然と周りを見まわした。
すると駅前に『フェリーターミナル行き』のバスが停車している。
とりあえず乗っていくか一番間違いがないし…
しばらくしてバスは発射する。でも、バスの外を見ているとてくてく歩いている人達がいる。その先を見ると船が…
なんてことはなかった。駅から歩いても10分程度でフェリーターミナルに行けたのだった。
そこをバスはぐるっと回って歩くのと大して変らない時間をかけてフェリーターミナルに到着。
まだ時間は6時半前。フェリーの出航時間は7時半頃だった。
まずは朝飯かな?と思っていたが、売店はまだ空いていない。
やっと空いたと思ったら、食べるもののバリエーションはほとんど無いに等しかった。
ホットドッグかハンバーガーのみ。
仕方なくコーヒーとハンバーガーの朝食を取る。
しかしまぁ…ここのハンバーガーはその後にもお世話になったりしたのだが、ハンバーグに加えてスパゲッティまで挟まっている…なんだか変。
でも、ここで何かを食べようと思ったらそれしかないから仕方が無い。味もお世辞にも美味いと言える代物ではなかったのだけれどね。
そんなことをしているうちにフェリーの出航時間が近づいてきて乗船手続きが始まった。
フェリーもそんなに大きいものではない。っていうか小さい部類に入るだろう。
大体700トン程度か…その後、増備をして1000トン以上の船も配備されてそのうちもっと大きな船も就航するに至っているが、当時はお世辞にも綺麗とも言いがたい小さな船だった。
当然、スタビライザー(船の揺れを抑える装置)なんて付いていないからそんなに荒れてもいない海なのに結構船は揺れた。
そんな船に2時間半近く揺られただろうか…船の先に島影が見えてくる。
左手には富士山のような形の島。これは利尻島だな。こちらのほうは列車からも見ることが出来た。
ていうことは向かっている先の島が礼文島か…
なんだか平べったい島だなぁ〜
隣が利尻だけに余計にその扁平さが目立つ。一体この島には何があるって言うのだろう??
実は恥ずかしながら、礼文島についての予備知識ってものは全くと言っていいほど仕入れていなかった。
8時間コースも花の浮島と呼ばれるほど花、特に高山植物系の宝庫の島だと言うことも…
じゃあ、何でこの島を訪れようと思ったのかって??
単なる気まぐれに近い行動だった。本当に何となく…これといった期待もせずにふらっと訪れてしまったのだった。
船が接岸する…タラップが接続される…下船の準備に入る。
船を下りると、出迎えている人達がそれぞれ旗を持って待っていた。
どうもそれはそれぞれの宿の旗のようだった。泊り客はその旗を目指して行かなきゃいけないらしい。
なんだか妙な気分…
さて、私は目指す宿の旗を見つけて近づいていった。
『おかえりなさい…』
その旗を持った男の人は言った。
この言葉から始まったこれからの出来事は、その時の私には思いもよらなかったことだった…
[ 続く・・・
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