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第5話 【18歳じゃないっていうのに・・・】
船は函館に着いた。普段の旅なら周遊券を使うからそのまま特急に乗り込んでしまう所。
でも、今回は青春18きっぷである。各停と快速しか乗れないのだが、この函館本線ってやつは特急ばかり走っていて、各停はまばら・・・しかも途中で乗り換えは余儀なくされる。まぁ、この事は東北本線を乗り継いだ時と同じであったが。
とりあえず、朝市近くの食堂で食事をとりゆっくり先へと向かう事とした。
食事をとった後に列車に乗り込む。
この列車は長万部行きだった。
列車は大沼公園を横目に見ながら進み、そうして森駅に到着した。
ここは知る人ぞ知る『いかめし』という駅弁で有名な所である。
現在はこちらの方でもデパートなどで『北海道物産展』が催されたりした時に人気駅弁コーナーとかに並んでいたりしてるけど・・・
まあ、停車時間に余裕もあったので10時のおやつ(?!)にいかめしを買い込んだ。これがまた駅弁としては破格の安さ!現在は知らないが当時400円するかしなかったか・・・ってくらい。でも、量もおやつ程度だったけど。
それでも、やはり森駅そのものは小さいのに、いかめしの方は有名なだけあって美味かった。
また列車はディーゼル車独特の重いエンジン音と、一生懸命頑張ってるのに全然進まない感じで長万部を目指していく。今度は静かな内浦湾を望みながら・・・
何か漁船が見える・・・何を採ってるのだろう??
そんな風景を見ているうちに眠くなってきた。
考えれば、昨日の早朝からの強行軍。途中飯食えずにふらふらしながら列車を乗り継いで・・・
青函連絡船の中で横になれたとはいえ、ちょっと疲れが来たかな??
でも、先はまだ長い!ここで根を上げてる時ではないんだ!と思いつつ瞼は重くなっていく。
気がついたら列車は終点の長万部に到着していた。
ここからは東室蘭・苫小牧方面を経由するかニセコ・小樽を経由して札幌に向かわなきゃならない。
時刻表を見ると、東室蘭方面は東室蘭・苫小牧と乗り継ぐし、まず長万部を出る列車までの待ち合わせがかなり長くなる。
ニセコ方面なら、もっと早く小樽で乗り継いで札幌に着ける。
迷った挙げ句、以前にニセコ方面から行った事があったので東室蘭経由で向かう事にした。
札幌に着く時間は遅くなるが、どっちにしてもそこから先の事を考えたらあまり変わらない事に気付いたので・・・
しかしまぁ、その選択をしたお陰で長万部には2時間近くいる羽目になってしまった。
ここでは、今度は『かにめし』を買って昼食にする。
そして、乗り継ぐ列車の発車時刻を駅員に確認して待合室で本でも読みながら、『うぽぽ〜ん♪』と時間を過ごした。考えてみればずっと列車に揺られっぱなしだったから、こんな時間もいいものだ。
でも・・・でも・・・やっぱまた眠くなってきた。気がついたら長万部の駅の待合室で爆睡してる自分がいた。
どれくらい時間が経ったのだろう・・・誰かが私の肩をゆする・・・何か言ってるぞ・・・
『18歳のお客さん!発車の時刻が近づいてますよ!』
誰??18歳の奴って・・・俺は19歳だぞっ!
ん??ちょっと考えてみて状況を私は把握した。
先ほど、自分が乗る列車の発車時刻を聞いて、時間があるからホームで待たずに待合室で待つように駅員に言われててそのままねむっちまったんだっけ。
だから、駅員さんがわざわざ私を起こしてくれたのだった。
でも・・・18歳って・・・彼に年齢言った覚えはないし、大体からして年齢違ってるし・・・
あ!切符だ・・・改札で『青春18きっぷ』を見せたから、この切符は18歳専用だと勘違いしたんだ。
結構、地方の駅とかではいわゆる『とくとく切符』系の知識があまりない駅員も多い。
でもさぁ・・・『18歳の・・・』って付けなくてもただ『お客さん!』だけでいいと思うんだけど。
この駅では青春18きっぷで途中下車したという事例があまりなかったので『青春18』って文句が頭から離れずに『18歳のお客さん!』になっちゃったのか??
とにかく無事に列車に間に合う時間に駅員さんに起こしてもらって、東室蘭方面へ向かうためにホームへと歩いていった。
すると・・・またさっきの駅員さんが『18歳のお客さぁぁ〜〜んっ!!』って今度は叫びながら走ってきた。
へ??何かしたか?俺・・・
そしたら、今度は待合室にウエストバッグを忘れてしまってそれを届けに来て来てくれたらしい。
寝起きでぼけてたな・・・俺。
何度もその駅員さんにお礼を言って忘れ物を受け取った。
そこで駅員さんが一言。
『良い旅を♪』
かっこいいなぁ・・・人の年齢間違えてるけど。この駅員さん!
とにかく、この長万部の駅では私は年齢を一つサバ読まれた状態のまま東室蘭行きの列車で先へと進んでいったのだった・・・
[ 続く・・・
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