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家出じゃないのよ旅なのよ・・・プロローグ
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第1話
家出じゃないのよ・・・
(1999.3.12up)
 
第2話
未成年なんですけど・・・
(1999.3.18up)
 
第3話
物乞いじゃないのよ・・・
(1999.3.23up)
 
第4話
初めての船旅・・・
(1999.3.27up)
 
第5話
函館の街・・・
(1999.4.2up)
 
第6話
いざ・・・家路へ??
(1999.4.12up)

第3話 【物乞いじゃないのよ・・・】

どうも私はそのまま寝てしまったらしい・・・
考えてみれば、16歳の自分が家出に飲酒・・・とんでもない奴である。
今の世の中じゃなんてこともない話でもあるのだけれど・・・
ふと目が覚めた時には、列車は盛岡を過ぎたあたり・・・とっくに夏の夜は明けていた。
なんかあんま目覚めは良くない状態で、顔なんか洗ったりしてぼーっと外の景色を見ていた。
そうしてるうちに空腹を覚えてきた。
考えてみれば、昨晩は上野駅で立ち食いそばをかっ込んだだけ・・・そして列車で隣の座席のおっちゃんにとっ捕まって酒と若干の乾物をつまんだだけである・・・
育ち盛りの自分には足りるわけがなかった。もっとも成長はとっくに止まっていたが・・・
ただ、自分をよく知る人に言わせると『お前は燃費が悪すぎ!』らしい。やせてる体の割にはよく食うので・・・
『さて・・・』と思ったが、実はあれやこれやとばたばたしてたので朝飯の事まで考えてなかった!
あらら〜 どうしよう?? 青森は9時近く到着だからなぁ・・・ それまで我慢かな??
と、諦めてぼけーっとしてたら、よっぽど空腹に見えたのだろうか? 自分の向かいの席に座っていたおばさんがおにぎりを食べないか?とすすめてきた。
こうなると自分は犬である! 好意は素直に受けるべし!は昨晩のおっちゃんの件で学んだし・・・
『いただきますっ!』・・・うまい・・・
日本人は優しいのう・・・もっともその頃海外に行った経験はないのだが。

そんな事で、今度はそのおばさんの話し相手に私はなったのだった・・・
あれから10数年経った今ではその会話の中身までは覚えていないのだが・・・ただ、初めての一人旅でおっちゃんに酒を付合わされた(第2話参照)のと、おばさんからのおにぎりだけは覚えているのです・・・
そして・・・よっぽどもの欲しそうな顔をしてたのかな?って事も・・・
20歳を過ぎるあたりまで、自分は人見知り気味で無口な少年だったのだけれど、不思議と友達はそこそこできたし人には優しくされた・・・ その後知り合いに言われた言葉があるのです。
『お前は捨てられた小猫の様な目で人を見つめる時があって、ほっとけないんだよ・・・』
別に意識してなかったのだが・・・
でも、それから先の旅でも色々と人に助けられている・・・ 今でこそ誰も人見知りや無口だという事を言っても信じてもらえないのだが・・・
なんていうか、その時の自分なりに世の中をわたっていく術を身につけている奴らしい・・・自分は。

そんな感じで列車は青森に着いた・・・
のんだくれのおっちゃんも、おにぎり分けてくれたおばさんともお別れである。
きちんとお礼をみなさんに言った後に私は歩き始める・・・
さて!本州に別れを告げて初めての北海道上陸のために青函連絡船に乗り換えなきゃ・・・
でも・・・やっぱ腹減った!
またまたホームでそばにいなりずしを食った・・・

よく食う奴だった・・・何でその頃縦にも横にも成長しなかったのだろう?
その頃の私は献血しに行って断わられた事がある位の体格だった・・・
食べたものは何処へ・・・ どうでもいい話か・・・
腹はふくれて歩き始める・・・青森駅のホームから青函連絡船の乗り口はめちゃ遠かった・・・
私はふと思う『北海道ってやっぱ遠いや・・・』


[
続く・・・ ]