【連絡船の夜は長く・・・】 〜『今度は家出か?』 〜あやふみ17歳の夏 Episode・3〜

これもやはり高校生17歳の夏のお話。

北を目指して夜行列車に飛び乗った私は翌朝に青森駅に到着したのだが、何故か青森の街で1日を過ごした後に駅へと戻ってきて夜行の船に乗ることに。
連絡船の待合室に到着したときにはまだ全然人影がなく、意外と早い時間に乗船を促すアナウンスが耳に飛び込んできた。
回りを見渡してもそんなに人はいないようだ。
こりゃ船の中はガラガラでラッキーかも!とか思いながら、船の中に一番乗り。

でも、この後どの程度の混み具合になるかは分からないけど、ど真ん中に大の字ってわけには行かないだろう…
そう考えたわたしは、窓際の一角にバッグを置いて横になることに。
後になって混雑したときには寝転んでいられないかも知れないが、それまでの間くらいはいいだろうって思って。
そして、壁に向かって通路側に背を向けて横になったわたしは疲れていたのだろうか、そのまま眠ってしまったらしい...

その後、何となく気づいたときには船は既に函館目指して出港した後だったようで。
自分は壁に向かって横になっていた姿勢に窮屈さを覚えたわたしは、姿勢を少し直すためにそのままごろっと身体を回そうとした。
そのときに背後に人の気配を感じる...

あれ?そんなに人一杯になっちゃったんだ・・・なんだよー!ちっ!!
そう思いつつ、今度は自分の隣にいる人に接触して迷惑かけないようにと、その位置から動かないように身体をちょっと浮かしながら仰向けの姿勢にまで持っていこうとしたのだが、あまりに隣にいる人との距離が近すぎたせいか、自分の思惑通りに行かずにその人と接触してしまうわたし。

そのときにその相手の姿がちらっと見えた。

えっ・・・!!

自分の隣にいたのは若い女性だった。

まさか・・・女性が隣に寝てるとは思いもしなかった。
わたしは慌てて身体を起こしてその場に座って回りを見渡す。
すると、寝ていたわたしの足元や頭のあたりに寝ていたのも女性だった。

船に一番乗りで、まだガラガラの状態から眠っているうちに気がついたら自分は女性に囲まれて寝ていたらしい。
どーしよ...(悩

別に自分が悪いことしたわけじゃない。
でも、自分はここにいちゃいけないんじゃないかとか思うようになってしまっていた。
自分から女性の集団に紛れ込んだわけでもない、知らないうちに気がついたら囲まれるようになっていただけなのに・・・

そうしているうちに、自分の隣に寝ていた女性が起きだしてしまったようだった。
相手のひとはわたしの顔を見て、

『あっ・・・・・・!!』

『ご、ごめんなさいっ!!』
(だから、自分は悪いことしてないっちゅーの!!)

しばらくの沈黙・・・・・・

そして相手が再び口を開く。

『男の子だったんだ・・・』

なぬ?!どーゆーことじゃ??

『いや・・・女の子が寝てるのかと思っちゃってたから・・・』

その当時の自分はかなり華奢な体つきをしていたことは確かだったようで。
しかしまあ、背を向けて寝ている自分の後姿って女の子に見えちゃうのか??

『ごめんね・・・でもほんと女の子かと思ってた・・・でも男の子なんだよね?』

いえ!別に謝らなくていいです。こっちのほうが悪・・・くもないんだけど。

結局のところ、『ショートカットの女の子が寝ている』のだと思われてってことらしいので、気軽く横に寝てたってことらしい。
だからって、こんな近くに横になれるもんか?って疑問も無くは無かったのだが・・・(笑)

そうして、彼女は出来る限り場所をあけてくれ、また横になりなよと言ってくれたのでお言葉に甘えて再び横にならせてもらうことに。
でも、仰向けに横になってるわたしの隣にはわたしのほうを向いて横になってる彼女の姿が・・・

世の中というものは・・・知らないってことはある意味最強だと思われることもあったりするわけで。
なーんにも知らずにいた自分はいい気持ちで眠れていたのに。
でも、隣にこの女性が横になってると分かってしまった自分はすっかり彼女の姿を意識してしまっているわけで・・・

そして、バツを悪そうにしている自分をどう思ったのか、彼女はわたしに話し掛けてきた。

『いくつなの?』
『え?17です。高校2年・・・』

そーんな話から始まって、彼女は、自分より3つ上の大学生だということ・・・今回は3人で北海道旅行に来ていること・・・
そんなことなどが分かってきた。
実は、今横になってる自分の頭と足元に寝ている人たちが彼女の連れだということも。
結局、彼女のグループに囲まれる形になって自分は寝ていたらしい。

気がついたら、結構会話が弾みはじめたようで色々な会話が進んでいく。
でも、お互い横になりながら夜行だということもあるので気を使ってのひそひそ声での会話。
なんか怪しい雰囲気みたいで、ちょっとだけドキドキもしちゃいましたが・・・(爆)
もっとも、そう思ってたのは自分だけだったろうけど・・・(笑)

そのうち、彼女のほうが眠くなり始めたようだったのでもう寝ようってことに。
でも、なーんでこの人はおいらの方を向いて眠るのだろう・・・
おかげで、会話してるときにはそうでもなかったのに、再び意識しはじめてしまう自分。

今思えば、彼女なんて自分のことを男として意識していなかったんだろうから無防備な姿を見せられたのかも知れない。
でも、当時も今もおいらは男であることに変わりはないわけで・・・(笑)

どーしたらいいんでしょ?こーゆー時って??
っていってもどうも出来ない自分もいたりするわけで(笑)

結局、その後眠れないまま連絡船での夜は更けていったのだった・・・(爆)


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