【魅惑のアイヌネギ…】 〜礼文島ぐるめ日記シリーズ・その3〜

礼文島の春は遅い。
G.W頃になってやっと気配を感じる・・・ってとこでしょうか?
でも、対岸の利尻富士にはまだまだ残雪が色濃く残っているし、礼文島そのものでも時折雪が舞い落ちることもしばしば。
そんな感じなので、風景的には『花の浮島・礼文島』からはまだ程遠い。

でも、礼文島ってところは花だけが魅力な訳じゃない。
実はG.W頃からの5月一杯あたりのの礼文島は山菜の季節でもある。

そんな頃のこと。
宿のオーナーから『今日は山菜採りにでも行くか!』という提案が。

この島に自生している山菜たちをみんなで採りに行って今宵の夕食を賑わそうということらしい。
まあ、そんなもん・・・宿の人達だけで採りに行ってくればいいじゃないか!なんて話も無いわけじゃないんだけど、まあこの季節の礼文島はこれといって特にすることも無いことも多かったりもするものだったりもする。
前述のように、この季節の気候だと8時間コースはきつい。
気温は10℃台だし・・・周りが海に囲まれている離島ならではの強風吹きまくり状態・・・に遭遇した日には歩くどころじゃなくなる。
ましてや、下手して天候が変われば雪すら落ちてくる可能性も無いわけじゃない。

そんな感じだから、宿のオーナーも比較的安全に楽しめる企画としてみんなに提案したんだと・・・好意的に解釈することにしよう(笑)
まあ、山に入るのが嫌いな人だったらこういう場所にも来ないんだろうしね。
どっちにしろ私自身には異論は無かったし、そのとき泊まっていた他のメンバーにも無かったのでみんなで山菜取りに出発することに。

そして一同が向かった場所は・・・
礼文島の北のほうにある久種湖の方へ。
ここは日本最北端の湖と言われている場所で、そのほとりにこれまた日本最北端の牧場と言われる道場牧場(『みちばぼくじょう』ではなく『どうじょうぼくじょう』と読む)があるのだが、そこに放牧されている牛達を横目に見ながらもっと奥に歩いていくと、山深くなった場所があって沢のように水が流れている場所があったりする。

そのあたりに行くと、色々と山菜が生えていたりするのがあまりその辺そんなに詳しくない私にも分かったりする。
一緒にいたメンバーが

『あ!これタラノメじゃん!!これ美味いんだよね〜』

すかさず見つけ出したようだ。
そんな感じで、なんとなく耳にしたことがある山菜たちを一通り採取して、これで終わるのかな?と思ったら、宿のオーナー曰く

『さ!じゃあ次行くぞ!!』

え?まだあるの??

そんな訳で一行は沢の中をもっと先に進んだ。
今までいたところをもっと先に進んでいくと、これまでと風景が急に変わって見えてくる。
実は、久種湖の湖畔にはミズバショウとかザゼンソウが咲いていたりしていたんだが、その花たちが奥に行くにつれて様子が変わっていっているのである。
ミズバショウなんて・・・水場に咲いている小さくて可愛い花という印象があったんだが、それが20cm・・・30cm・・・だんだん巨大化していってるような??

挙句の果てには、自分の腰のあたりにまで成長したミズバショウ!(爆)
これ、小さな子供なら入っちまうんじゃないか??
このあたりは山に囲まれた感じで風が全然やってこないような場所。で、森深いってほどの木々でもないから日光もそれなりに当たる。
で、沢が流れていて適度な湿地帯みたいな感じで・・・きっと土もいいんだろう。
これらの条件が重なってミズバショウも巨大化できるようになったんだろうか??
それにしても・・・なんか見たこと無い奇妙な光景に自分は唖然としてしまった。

その場所に呆然と立ち尽くしていた私に突然声がかかる。

『おーい!こっちだぞ!!』

宿のオーナー達は既に沢のほうから山の斜面へ登っていっていた。
私も気を取り直して後をついていく事に。

やっと追いついた頃、オーナーさんは下を指差して

『これだよ。』

と、ひとこと。

((・・・なんですか?これ??・・・))

それは、ニラにも似たようなただの緑色した植物。

『アイヌネギだよ。美味いんだぞ!』

あぁ・・・そうなんだ。それは知らなかったなあ・・・
てなわけで自分も採取に加わることに。

『根っこから引っこ抜くなよ。単に折り取るだけでいいぞ!』

後から聞いたところによると、アイヌネギは根っこから引き抜かなければまた生えてくるそうなのです。
ただ、一生懸命こいつを折り取っていくうちにどこかで嗅いだ事のある臭いがするんですけど・・・

そう、それはニンニクの臭い。
実はこのアイヌネギ・・・別名『ギョウジャニンニク』とも呼ばれている。折り取った時に茎から出てくる汁はまさにニンニクの臭いだった。
なーんか・・・採っているうちにクラクラしてきたんですけど・・・わたし(笑)

そんな感じでとりあえずは、人数分は楽しめそうな量だけ採り終わって今日の山菜採りツアー(?!)は完了した。

そして、この晩の夕食は昼に採ってきた山菜の天ぷらに加えてジンギスカンという豪勢なメニュー。
しかもジンギスカンには、先ほどのアイヌネギが彩りを加えていた。
これがすごく合うんです!!
羊の肉にアイヌネギの醸し出すニンニクと同じ香りが・・・

気がついたら、いつも以上に腹いっぱいになっている自分がいた。
(実は本来はあんまり羊肉っていうか、マトンの方は得意な方じゃないのよ・・・食えるけどねぇ)

このアイヌネギ・・・別名ギョウジャニンニクなんですが、北海道内から東北の山の中では結構自生してる有名なものらしいです。
ただ、そんな日持ちするものでもなかったりするので、礼文島でもこの季節しか食えない季節的なモノでもあります。
まあ、冷蔵庫で保存して酢味噌和えで食すというパターンや、他のところでは醤油漬けにして保存することもあるらしい。
これらなら、もう少し時期がたっても味わうことも可能らしいですし、それも非常に美味だったりしますけどね。


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