桜を追いかけて・・・秋田・角館への旅

 
  第1話
走るカプセルホテル・・・
(2002.8.27up)
  第2話
角館の桜は・・・
(近日公開予定)
  第3話
文明の利器の悪戯・・・
(近日公開予定)
第1話 【走るカプセルホテル・・・】

最近の自分ってほんと旅に出てないなぁ・・・

仕事にひたすら追われる日々が続いているうちに、気がついたら冬も終わって桜も咲いたなと思ったら既に散ってしまっている季節。
G.Wも近づいてきているのだが、どうも休みが取れそうも無いような状況に追い込まれそうな予感。
なんかこういうときほど何処かに出かけたくなったりしたくなるもの。

ふと、自分の脳裏に地元では既に散ってしまっていた桜の咲いている風景が。
今、咲いている場所ってどこだろう??
確かこの間秋田では桜が満開だという情報が流れていたな。

そうだ!秋田へ行こう...

そう思いついた私は、故郷の秋田に用事があるという理由で職場にその旨を告げて3連休を取得申請。
しかし!
仕事の都合でその連休初日は出勤へ。

仕方ない。夜行で秋田へと向かってあちらで一泊の強行だけど行くだけ行ってみるか。
そんな予定を頭に叩き込んで22日に仕事へ向かう私だった。
が、気が付くと22日の晩には同僚と飲んだくれてしまってる始末・・・
結局のところ22日の晩は酔っ払って自宅へと帰った私だった。

確か、秋田行きの寝台列車ってまだあったよなあ??
駅で時刻表をめくると上越線経由で寝台特急『あけぼの』が走ってる。
これにしよう!

ただ、この列車には問題点が...
列車編成表を見る限りでは一般のB寝台は全て禁煙車。喫煙車はB寝台の場合は全て個室(ソロ)のみだったりするようだ。

うーむ・・・
別に禁煙でも構わないんだが。どーせ寝てる間は煙草吸わないし(苦笑)
それでも平日だし、個室も取れるだろうとたかをくくる。
ていうかどうせだったらB寝台ソロで行ってみたいなあ。ていうか乗りたいぞ!実は乗ったこと無いんだよ・・・個室寝台。
よし!乗れなかったら行くのやめるぞ!!(爆)

なんでそこまで想いが発展していったのだかよくわからないのだが、意に反して窓口へ行って聞いてみたところ、あっさりと

『ありますよ』

だって・・・逆に私が拍子抜けしたくらいだった。

さて、自宅から上野駅へと無事に到着した私。
列車の発車時間よりはるかに早く到着してしまうのは、ずっと昔からの自分自身の癖なんだと思う。
そんな中で、今やどこにでも見かけるようなチェーン系の喫茶店に入って、特に美味いとも思えないけど不味くもないコーヒーを飲みながら列車が入線してくるのを待った。

そんな事で時間を潰している間に、そろそろ列車がホームに入線してくる頃かな?って頃合になってきたので、私は長距離列車が発着するいわゆる地上ホームってとこへと降り立つ。
だが、今回乗車する『あけぼの』はまだ入線していなかった。ちょっと早かったか・・・
まあよい。売店でビールとかツマミの類でも買ってればちょうどいい時間になるだろう。

案の定、売店であれやこれやと買い物してるうちに列車が入線してきた。
上野駅独特の機関車に押されながら後ろからってスタイルで・・・

列車は到着するや否や、無造作にドアを開けて客に乗車を促した。

((・・・なんか・・・旅へと誘うって旅情もへったくれもないなぁ・・・))

とか思いながら私も列車に乗車した。

まあ、列車そのものも結構昔からある寝台列車のスタイルそのもので時間もちょい遅めの発車なもんだから、車内の客も乗車したとたんに寝台のカーテンを閉めちゃったりして既に寝る準備を始めちゃったりしている。
いわゆる座席の夜行列車とは違った静けさに包まれた車内を何両か歩いて、私は自分の取った寝台のある車両へとたどり着いた。
私の取った寝台は、前述の通りB寝台の個室。いわゆる『ソロ』って呼ばれているもの。
その指定された部屋のドアを開けた私。

開けた途端...
狭いな。やっぱ・・・(笑)

まあ、それでも通常のB寝台と同じ値段だしね。カーテンのみのそれよっか占有面積はちっとは広いか。

いわゆるこの『ソロ』って個室寝台。実は列車によって基本的に2パターンある。
部屋というか寝台が枕木方向(進行方向に向かって直角に寝る)というのと、進行方向(文字通りですね)というもの。
大方の寝台列車の『ソロ』ってやつは、いわゆる枕木方向が多い。
片側の窓の方に通路があって通路側から見ると、鰻の寝床状に部屋が並んでいるパターン。

しかし、今回乗車する『あけぼの』については、通路が車両の中央にあって両側に部屋が振り分けられている。
まあ、昔電車の寝台列車に乗ったことがある人だとイメージ沸きやすいかな??

どっちがいいんだかはよく分からない・・・
でも、この『あけぼの』スタイルの方が1車両あたりの寝台数は多いようで、それも4〜5割増しだから・・・よく言えば効率がいいんでしょうね。
そんなこんなで色々と思っているうちに静かに列車は滑り出した。

あ・・・そうそう!
私は駅で買い込んできたビールがあったのを思い出した。早速、開けて飲むとするか。
冷えたビールを喉に流し込む。
やはり家で飲むのと、この列車のサウンドと独特の揺れに包まれて飲むのとはちょっと味が違うような気もするなあ・・・

それにしてもやっぱこの部屋・・・結構圧迫感あるような気が。
特に下段の部屋だったせいか、上段の部屋への階段部分が部屋の中の一角を切り取った感じになっているせいもあるのかも知れない。
しかしまあ、この雰囲気・・・何処かで味わったような記憶。

うーむ・・・

あぁ、カプセルホテル!!
この囲まれ感はその雰囲気に近いかも知れない。
最低限の個室空間そのものだよな(苦笑)

てぇことは、カーテンのみで仕切られた普通のB寝台ってなんだろ??
あっちはさしずめ、ユースホステルの2段ベッドか??(爆)

ビールがちょっと進んできたら、少しだけ暑さを感じた私。
あんまり空調も効いてない感じがしたので、折角の個室なのにドアを半開きにしてみた。
ドアの外からはひんやりとした風が入ってくる。
ふと、ドアの外を見てみると自分のようなことしてる奴なんで1人もおらず、みんなドアを締め切ったままでしーんとした廊下がそこにあった。

『袖擦りあったも何かの縁』みたいな旅をずっとしてきていた私にとっては、ちょっとした違和感を覚えながらまた私はビールを喉に流し込んだ。

なんだか誰にも気兼ねしない気楽さがいいような・・・予定調和といった感じでハプニングが何も起こりそうもないことが寂しいような?
奇妙な想いを乗せて列車は先へ進む。

目的地の秋田へは翌朝7:00頃到着予定・・・


[ 続く ]