旅のルーツ・その2 〜幼き頃の小さな冒険〜

 
  幼き頃の小さな冒険
(前篇)

(2002.8.22up)
  幼き頃の小さな冒険
(後篇)

(2002.8.31up)
【旅のルーツ・その2 〜幼き頃の小さな冒険〜(後篇)】

そして二人は歩き始めた。
ただ、これが結構ろくに考えもせず歩き始めたから、何処をどういう風に歩いているのか理解の無いまま足を進めてたらしい・・・
そんなもんだったので、歩いているうちに全然見たこともないような風景が周りに広がっていた。

個人的にはそういうのって非常に楽しく思えて来ていたんだけれど、一緒に歩いている友人はかなり不安にかられてきたようで

『ほんとに大丈夫なのかなぁ??』とひとこと。

それに対する私の返答といえば

『きっと大丈夫!方角は間違ってないよ!!』

ある意味すごくいい加減な答えである。

本来なら、来たときのバスルートを歩いていけば一番間違いが無い。
ただ、それだと結構大回りするって印象があって(事実そうなのだが・・・)、知らない道ではあるけれど方角さえ間違っていなければそれよりも短い距離で家までたどり着けるはず・・・そう自分では思っていたのだから、そう答えるしかない訳で。

単純に言ってしまうと、家は北のほうのはずだから・・・って感じで大雑把に北を目指していたらしい。
自分の北方志向はここから始まったらしい??(爆)

そんな感じで相変わらず不安げな表情を浮かべながら歩く友人を励ましながら歩いていた私たちだったのだが、足を進めていくうちに目の前の風景が極端に変わってきたことに気づいた。
なんていうか・・・急に視界が広がったとでも言うべきか??
周りは広大な芝生が広がっていてほんと見渡す限り何も無いような風景。

連れの友人の不安感はますます増大してきたようだった。
それでももっと先に足を進めていくと、今度は巨大なパラボラアンテナが・・・そして周りはフェンスで囲まれている・・・

((・・・なんだ??ここは。何処かの秘密基地か??・・・))

もう連れの友人は泣きそうな声で

『もういいかげん引き返そうよ・・・(泣』

さすがに子供心でもここまで来たらやばいぞっ!!って事くらいは気づく。
こんな所に入り込んではいけないんじゃないか??って。
そのくらい、これまで歩いてきた道のりとは単なる風景だけじゃなくて漂う雰囲気まで違って見えた。
慌てて私たちはあてずっぽうに先へ進むのをやめて、今まで歩いてきた道の途中で普通の街らしい所まで戻ることにしたのだった。

そして、改めて別のルートを模索することにして山あり・・・の道をたどっていくとなんとなく見慣れたような道を目にする私たち。
そこは横浜新道だった。
実は私たちの家はこの道路の沿線の方だったりした。

友人は結構な道のり、しかも全然知らない道を歩いてきてさすがに疲れきっていたようだった。
でも、この道沿いに歩いていけば必ず家にたどり着けるよってことを話して、途中見つけた自販機で残り少なくなったお金でジュースを買ってもう少しだからと励まして先へ足を進めた。

ただねぇ・・・ここまできてまた問題が。
この道路って、いわゆる自動車専用道路だったんですよ。
本当は歩行者が歩いちゃいけない道路。
それでも、もういまさら他の道を探す気力はお互いに残っていなかったので、そのまま路肩を二人で歩き始めてしまった。

今思えばかなり危険なことだったと思う・・・
最低でも時速60km以上程度で車がびゅんびゅん走ってる路肩を歩くんですから。
車の方だってきっと路肩を小さな子供が歩いていたからびっくりしていただろう・・・
今なら通報されて道路公団のパトロールカーあたりが出動ってことになっていたかも。

でも、当時はそんなこともないまま二人は無事に家にたどりついたのだった。
そのときにはさすがにもう日も落ちてあたりも暗くなり始めた頃。
そして、お互い今日のことは誰にも言わないでおこうねってことで友人と別れたのだった。
だって・・・子供心ながらに自動車専用道歩くなんていう危険なことしましたなんて言えませんからね。

最後に。
途中迷い込んでしまった“秘密基地”が、実は米海軍の無線通信基地だったことが判明したのはそれからかなりの月日がたった頃。
実際に基地の中に迷い込んでしまったのかどうかは分からないんですが。
今となってはほとんど遊休化した施設のようだけれど、湾岸戦争とかの頃は結構厳戒態勢だったときもあったわけなんで、迷い込むといえどもそうそう中には入れないだろうとも思うので。

でも、あの当時は基地に入ってしまったと思い込んでいました。
まあ・・・結構広い敷地でずっとフェンスが張り巡らされてあったから、フェンスの外なのに中に入ってしまったという錯覚を覚えてしまったのかも知れない。


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