【お留守番のごほうびは…】〜礼文島ぐるめ日記シリーズ・その1〜

礼文島は近年、ウニが非常に美味いってことで名が知れるようになってきています。
全国で見られるトゲトゲが長いいわゆる『ムラサキウニ』ではなくて、北海道でしか採れない『エゾバフンウニ』の方が濃厚な味わいがあるってことで、このウニの水揚げが全国でも一番と言われる礼文が注目を浴びてきたわけで…

実はこやつは昆布を食すために、以前は利尻昆布を食い荒らすってことで“害獣”扱いで採っても捨てていたような存在だったウニが非常に貴重なものだと言うことになって珍重されるようになったってのも奇妙なもの。
ましてや、礼文のウニは上質な利尻昆布ばかりを食ってるので品質もピカイチだっていうんだから…
今では、ニシンに始まった島の水揚げの稼ぎ頭が昆布に変わってウニへといったところなんでしょうか?

これは5月の下旬から礼文島へと渡ったときの話。
この季節ってG.Wと6月中旬の花の季節に挟まれた感じで人も少なくてある意味ではほっと一息つけるような雰囲気。
道端や草原にもタンポポが一面に咲き誇っていて、これからの花のシーズンの到来を予感させるような季節でもあります。

そんな中でぼーっと過ごして6月に突入すると、礼文島はウニ漁の解禁の季節へと突入する。
ただ、ウニ漁ってのは毎日どんな時間帯でも漁ができる訳じゃない。
できる日にちと時間帯ってのが決まってるんです。しかもその日が時化ていたりすれば漁は出来ない。
ウニ漁ができる時には所々に旗が出される…これが俗に言う『ウニの旗』。ただ、この旗何色だったかはちょっと忘れてしまったのだが。

礼文島のウニ漁の姿って一種独特。
船の上でのぞき窓を見ながら漁師さんが棒で突いてウニを採るのだけど、片手にのぞき窓で片手に棒、そして片足で櫓を扱いながら(爆!)というアクロバティックな姿勢で採っていたりするんです。
だいたい凪いでいる時に漁があるので、静かな海の上でそんな格好でウニを採ってる船が幾つも出ていて…見てて飽きない光景かも。

さて、この季節は私の泊まっていた宿でも、今は亡くなったオーナーのお父さんが漁師だったためにせっせとウニを採りに船を出していたりした訳で。

ちょうどそのときに宿のお客さんは私一人でした。
別に私も初めて来た客でもないので、たった一人のためにわざわざ客用の食事を出すのもって話になり、気がついたら宿の家族の人と同じモノを食って、半ば客と言うより居候か下宿生みたいな感じで毎日を過ごしていたんですが。

ある日のこと…
朝起きてみたら、オーナー曰く。

『これからみんなウニ漁に出かけるからちょっと留守番してくれないかな…電話掛かってきたら、今漁に出てますから掛けなおしてくれって伝えて欲しいんだ』

とな。まだこの宿、留守番電話が入ってなかったので宿の予約が入ったときにまた掛けなおしてくれるように『留守番電話』代わりをしてくれってお話だった。

『まあ、好きな曲でも聴きながらのんびりしてていいから…』

って、CDとか置いてある場所を教えられて私は一人ぽつんと宿に残されたのだった。
そして、適当にCDとか掛けながら電話の前で私はぼーっと過ごしていた。


だいたいウニの漁は2〜3時間程度。その後、殻剥きとかあるので作業が終ると昼近い時間になる。
宿のみなさんが戻ってきてお留守番終了となってお昼の時間へと。
本来は1泊2食のお客さんですから昼食なんて自分で食いに行くしか無いわけなんだけど、今回に限ってはお留守番のごほうび(?!)として昼飯をご馳走してくれることになった。

出てきた昼食は案の定、生ウニ丼だった!
丼にいっぱいの生ウニをワサビと醤油で頂く。
ちょっと殻が混じっていたりとかもしたけど…美味かった。

これまで食ってたウニって何だったんだろう??って思うほど。
実はウニ嫌いだったんですよ…私。
こちらのほうで売られているウニは、保存剤か何かのためにミョウバンとか入れてるから妙な雑味があるんだなってことが採れたての生ウニを食してみて分かった。

ただ、こんなこと言えるのも贅沢だっ!って言われそうだけど、生ウニは美味くはあったけど量が多すぎたのでもういいかな…って気もしましたが(爆)
美味いものっていうのは腹いっぱい食ってみてから、始めて適量が一番だと気付いたりするもんですね(笑)

[ 戻る]