■『トワイライトエクスプレス』乗車記

 
  前篇 
『乗車前・・・』
(2001.6.2up)
  中篇 
『いざ!乗車♪』
(2001.6.3up)
  後篇 
『列車は北海道へ・・・』
(2001.6.5up)

【後篇 『列車は北海道へと・・・』】

ふと目が覚めたときには列車は青函トンネルを通過し、函館も過ぎて函館本線内を走っていた。
窓の外には既に見慣れた内浦湾の風景・・・
ここは天気が良くて風がないときは本当に鏡のような海が広がっていたりする。

私は顔を洗って、しばらく通路側の補助席でぼーっと過ごしていた。
予約していた朝食の時間にはまだまだ時間があったし・・・

列車が内浦湾をぐるりと回るように走って東室蘭の駅を過ぎた頃にやっと朝食の予約の時間になったので、私はレストランカーへ。
車両の入り口で、ウェイターさんに予約のチケットを渡して席へと案内してもらう。
こっちは一人だったので、誰かと相席にでもなるのかな?とか思っていたのだが、そうでもないらしく最後まで私は1つのテーブルでゆっくりと食事をとらせてもらえたりした。

メニューは洋定食を選んだのでパンがメインでオムレツとかの卵料理やジュース、スープにサラダ、食後にコーヒーか紅茶ってとこ。
まあ、シティホテルでの朝食を思い浮かべてもらえば・・・ってとこです。
値段的にもだいたい同程度ですしね・・・可もなく不可もなくって感じ。

正直に言っちゃうと、こういう食堂車の場合はおおよその下ごしらえをしておいてから車内に積み込んで仕上げの調理をするパターンだと聞いたことがあったので、そんなに期待は していなかった・・・
もっともディナーならそこまで突っ込めるのだろうが、モーニングなんて簡単なものだからそこまで突っ込むほどのものじゃないんだろうが・・・
味についてはそんなとこですね。
ただ、食事をとろうと思うとやっぱり列車って揺れてるんだなって思ったりする。
ジュースはこぼれてしまっていましたし・・・
でも、比較的簡単な朝食とはいえ列車の食堂車でとる食事っていうのは、結構優雅な気分にさせてくれる。
食事を終えた私は満足した気分で車両をあとにしたのだった。

結構ゆっくりと食事をとったはずだけれど、時間は30分程度しか経っていなかったらしい。
列車は苫小牧に到着。
この列車での旅も残りは1時間程度。

普通に列車で向かう場合は、『もうすぐ目的地だ・・・』っていう感慨が押し寄せてくるものだけれど、今回に限ってはその気持ちと『もうすぐこの旅も終るんだな・・・』って気持ちが半々くらいって感じだった


妙なものだ・・・
これまでの旅だったら、札幌に到着するってことは北海道の旅はこれからだというイメージだったのに。
やっぱ、ただの旅の移動手段だけじゃないものをこの列車で感じてしまったってことだろうか??
これから家路へと向かうときは、結構感傷的になってしまう自分だけれど、行きの行程でそんなこと思っちゃう自分も珍しいかも。

そう思ってしまうと、千歳を過ぎて札幌の郊外の町並みの風景すらしばらくは見れないかも・・・なんて思ったり。
まあ、これからもっと北へ向かう私にとっては札幌は通過点にしか過ぎないし、この頃は一度北へ向かえばしばらく帰ってこないような旅の仕方をしていたからしばらく見れないってことは正解ではあるのだけれどね。
帰りも札幌経由かどうか分からないわけだし。

そんなことを考えているうちに、列車のアナウンスが長い乗車に対してお疲れさまでしたという言葉を告げて終点の札幌駅に到着した。
結構、見慣れてしまった感のある札幌駅のホームに降り立った私は、私を再びこの北へと連れて来てくれた列車『トワイライトエクスプレス』の深緑色の車体をしばらく ぼーっと見ていた。

そして列車は回送列車となって札幌駅のホームを去っていく・・・
私はホームで、その姿が見えなくなるまで立ったままで見送っていた。

やがて、私は『一つの旅』が終っただけでこれから先はまだまだ長いのだということに改めて気付いたかのように、ホームから駅の外へと歩き出した・・・

[ 戻る ]