■かに飯の行方・・・

 
  第1話
かに飯の行方・・・(前篇)
(2001.5.7up)
  第2話
かに飯の行方・・・(後篇 )
(2001.5.8up)

【かに飯の行方・・・(前篇)】 (この話は 【臨時寝台特急『エルム』の悪夢(?!)】 の続きの話になります)

臨時の寝台特急『エルム』で思いのほか時間を食ってしまって、ほんとは昼頃着いて札幌市内を散策した後に夜行で稚内へと向かうはずだったのが着いたのは夕方。
当初思い描いていた状態とは違って、夕食をとった後に列車を待つという感じになった。

当時の夜行急行は道内旅行をする人に結構人気があって、かなり前から並んでいないと席が取れないというありさまで、本来は並ぶのが好きではない自分でもこればかりは仕方が無いので、早めにホームまで行って並ぶことにした。
それでも、出発時間であった夜10時の2時間前の状態でも既に停車位置のあたりにはバッグが並んでいて結構な人数が乗り込みそうな感じ。
この路線も最盛期には臨時列車なんかも走っていたりしたりもしてたし・・・(この頃もあった記憶がある)

しかも、夜行列車が出るまでは普通の列車が出入りしたりするので忙しないこと極まりない。
そんな中でぼーっとホームで時間をつぶし、そろそろ入線してくるかな?って頃に売店でビールやツマミなどを買い込む。

列車が入線してきて乗り込む。
案の定、すぐさま席が埋まりそうな勢いだった。
私は車両の中央までは行くのをやめて、デッキ寄りの1席を確保した。
まずは座席を確保したので一安心。

その後も乗客はどんどん乗り込んでくる。
もっとも、この列車は旭川行きの終電も兼ねているのでそこまでという人もいたりするのだが。
私の隣の席はずっと空いていたのだが、やがて女の子2人組が傍らにやってきて

『ここ・・・空いてますか?』

と聞いてきた。

『空いてますよ。どうぞ』

と言うと2人のうち1人が座って1人は傍らに立っていた。
列車も走り出して結構時間がたってきた頃、なんか夜行で2人でひとつの座席を交代でってのもかわいそうな感じがしてきて

『もしよかったら・・・交代で座りませんか?』

と私のほうから申し出てみた。

『あ・・・でも悪いですからいいです〜』

って断られた。しかし、その様子を見ていた3つほど前の座席のおじさんが、『じゃあ私が代わってあげるよ。どうせ途中で降りるから』
って譲ってくれた。いい人だぁ〜
でも・・・あっちは2人組。私は一人旅。空いた座席は2座と1座・・・
てぇことは私が移動すべきだろうな。

そのことを彼女らに伝えると、いや、構わないですという。
てなわけで、何故か2人組の片方と私が隣り合わせになり、もう一人が別のところという風変わりな組み合わせになってしまった。

でも・・・どうすべぇか??この展開。
ちょっと言葉に詰まった私はおもむろにバッグに入れてあったビールを取り出した。
考えてみたら札幌で買い込んできたまま、どうも座席の問題で飲むのを忘れていたのを思い出したのだった。
ビールは偶然にも2缶!(って実はいつもそうなのだが)
片方を彼女に差しだして

『とりあえず落ち着いたみたいだし・・・よかったら飲む??』

ていうか、何が落ち着いたのだろう??落ち着いたっちゃー落ち着いたのだろうが、だから何?って気もする。自分で言っててよく訳のわからない台詞だ。

でも、彼女は満面の笑顔でビールを受け取った。
ありゃ・・・のみたかったのね!(笑)
彼女はビールを買いたかったけれど、もしかしたら座れないかもしれないのに買っちゃったら立ったままで飲まなきゃいけないから買いたくても買えなかったのだそうだ。
そして・・・

『じゃあこれ食べよ♪』

と、差し出したのはタコ薫!(タコの燻製ですな・・・道内、宗谷地方のが美味いというが・・・ほんと美味いです)
ていうか、この子は酒は持っていないのに酒のツマミだけは持っているのかっ!!

まあ良い!
期せずして深夜の車内でささやかな宴が始まった。

聞くところによると彼女らは岐阜の大学生で初めての北海道だと言った。
それで行き先を聞いたら稚内から先は礼文島へといくらしい。
自分と同じじゃないか・・・

宿はと聞くと、某有名ユースだという。やっぱ収容人数とか考えても定番なんでしょうかねぇ?

それで自分の知ってる礼文のこととか・・・その他色んなことを話していたら、盛り上がってきたのか、段々彼女の声が大きくなってきた。
この時間帯・・・まずいだろう。あんま大声で話しちゃ・・・周りは寝てるんだってば。

と、思ったら案の定、前の方の座席の人が振り返ってこっちを睨んでいた。
でも、よく見たらその人は隣にいる彼女の相方だった(爆!)

やっぱ、周囲が寝静まっている時間帯なんだから・・・その辺考えないとね。ってことでトーンダウンするように誘導する私。
トーンダウンしていったら、彼女が静かになった。
そのまま寝てしまっていたのだった。
う〜ん・・・何なんだろうか??この子は(笑)
奇妙なノリを持った人である。無邪気といったら無邪気なんだろうな。

車窓の外はまだ暗い。列車はひたすら走り続けていた・・・

で・・・函館で貰ったかに飯はどうなったか??
夜食にも利用されなかったということだけはたしか。

じゃあ・・・後篇へ続く〜(爆)


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